JARL神奈川県支部開催の「ダミーロードの製作とVNWAでの測定」に参加しました。
事前にどんなダミーロードかはわからなかったのですが、
何かしら支部のイベントに参加したかったのと、
VNWAの測定にも興味があり、参加してみました。
桜木町の横浜市社会福祉センターで開催され、
JARL会員は昼食込みで¥1,000でした。

今回のキット内容。
酸化金属皮膜抵抗は秋葉原で買っても高いので、
今回のために中国から購入したとのことです。

オープニングは神奈川県支部長からの挨拶でスタートしました。

本番はJH1OHZ/片倉OMからとても丁寧かつわかりやすい説明がありました。
ダミーロードに使用される各種抵抗の説明があり、
OMが自作されたダミーロードを実際にVNWAで測定してみたり、
電波障害対策の切り分けとしてのダミーロードの活用や、
その対策について、いろいろ説明していただき、大変参考になりました。
また、単線のインダクタンスをLCRメーターで測定し、
更にパッチンコイルに通した時のインダクタンスとの比較を行い、
計算値との整合性を確認するなど、理論と実践を絡めた内容が
非常に面白かったです。
ここで出てきた数式は、
Zn=Zo×n^2
とか、
XL=2πf
など、どこかで見たものばかりです。
他にもいろいろ話はありましたが、自分がメモした内容は以下。
・TVが地デジになってから、I(アイ)の原因は高調波ではなく、
ほとんどが基本波なので、ローパスフィルタを入れても意味がない。
ローパスフィルタのケースは金属製であるため、
コモンモードという意味では、入力と出力が繋がってしまうので意味がない。
逆に取り外した方が良い。
→ もし、コモンモードフィルタを自作する場合は、
金属ケースではなく、プラケースに入れること。
・リグのアースはそれがアンテナになってしまうので、
絶対につながないこと。
リニアなど、どうしても高電圧の保安用に接続する必要がある場合には、
アース線にトロイダルコアを入れて、高周波的に高抵抗になるようにする。
→ 高抵抗と言っているのは、インピーダンスの10倍以上
(例えば、ロングワイヤーは300Ω程度なので、3kΩ以上になるように)
・トロイダルコアでアイソレーションを取る場合、
線材は、ビニル線は線間容量が大きいので、
線間容量の少ないテフロン線を使用すると良い。
→ トロイダルコアとしては、例えば、アミドン 114-#62を使用する。
(更に低い周波数を減衰させたい場合は、114-#42を使用する)

午後からは、ダミーロードの製作と測定を行いました。
製作過程は省略しますが、上の写真が完成写真です。
最初の部分はスムーズに進めることができましたが、
一番難しかったのは、8本の抵抗をまとめて、同軸の芯線に半田付けするために、
全体のバランスを取りながら形を作るのが大変でした。
完成したら、VNWAで測定です。
使用したVNWAは
SDR-Kits社のDG8SAQ VNWA3ECです。
ネットで調べてみたら、1kHz~1.3GHzまでカバーしているようです。
価格は本体8万6千円くらいの模様。
PCとはUSBインタフェースで接続しています。
このような測定器が10万円以下で入手できるなんて、
すごい時代になったものです。
20年近く前、高周波の回路設計をやっており、
VNWAはHP社製(今のキーサイト?2000万円くらいだったかな。。)の
ものを使用していましたが、測定器としての精度はよくわかりませんが、
アマチュアはこれで十分なのではないかと思います。
製作目標仕様は以下。
周波数:DC~430MHz帯
許容電力:40W
インピーダンス:50Ω
VSWR:1.1以下(DC~50MHz)、1.5以下(144,430MHz)
写真からはよくわからないと思いますが、
144MHzでVSWR=1.05、430MHzでVSWR=1.40となっています。
スミスチャートも表示されており、50Ω付近をクルンと描く形になっています。
少し早めに製作&測定が完了したので、
余った時間で新スプリアス規定の話をしていただきました。
時間があったら、もう少し耐電力の高いダミーロードを製作してみようかな。。。